空海論
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11.「施福寺所蔵空海尺牘」
「中寿帖」―観― 施福寺蔵
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「施福寺所蔵空海尺牘」(『書品』 267号。東洋書道協会、1982・8刊。B5−38p. 1000円)
本書はごく一部の研究者には知られていたが、江戸時代の模本とされて来たもの。小稿では比較書像と本文研究によって、紛れもない空海の真蹟と論証した。「風信岾」の三通に次ぐ、第四の書状が出現したことになり、本書は「中寿帖」と命名された。最澄が空海に宛てた「久隔帖」への返書の性格があり、二人の交際史の頂点を示す新資料である。
12.「空海・最澄交際の軌跡」
「風信帖」―何如空海/躋攀彼― 東寺蔵
最澄書「久隔帖」 奈良国立博物館蔵
「深」
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「空海・最澄交際の軌跡」(『書品』 268号。東洋書道協会、1982・10 刊。B5−41p.1000円)
空海と最澄の間には、三十三通もの書簡が交わされているが、そこには疑問のものがあり、かつ過半は年紀を欠き、年代不明である。小稿は、それと関連する書簡を合わせ、計四十五通を解読、編年順を推定し、二人の交際の実態を探ったもの。前項の「中寿帖」の背景も解明している。