9.「空海の書・その実像について」
「飛白十如是」―如是―
「篆隷万象名義」 高山寺蔵
「空海の書・その実像について」(『弘法大師書蹟大成』別巻「研究篇」。東京美術、1979・6刊。B5−143p.)
別巻の半分以上を占める長大な論考であるが、そこでも明言しているように、空海研究に着手して程ない頃の未熟さが露呈しており、今日的価値は乏しい。


10.「御物篆隷千字文」

「篆隷千字文」―瑟吹笙/転疑星― 宮内庁蔵

「翻」
10 「御物篆隷千字文」(『書品』 265号。東洋書道協会、1982・4刊。B5−82P. 1000円)
御物の手鑑に貼られている楷書と篆書で書かれた全十六行の千字文の断簡は未公開の新資料。これを撮影。その篆書に独特の雑体書法が加味され、それが空海の編纂した字書「篆隷万象名義」の篆書と共通していることなどから、空海の真蹟と推論したもの。