飯島太千雄 ≪ 著  書 ≫

24.『王羲之名品字帖』全8巻

1997年2月、雄山閣出版刊(B5、各冊不同、セット価23072円)

第1巻「楽毅論集」182P、第2巻「黄庭経集」154P、第3巻「蘭亭序集」102P、第4巻「十七帖集」150P、第5巻「集王聖教序・心経集」126P、第6巻「行書集」130P、第7巻「草書集一」134P、第8巻「草書集二」134P

飯島が主唱する比較書像学を、王羲之の学書の有効な方法論として活用した本。書聖王羲之の書は、真蹟が伝わらず、1600年を越えるその尊重の歴史の中で、無数の模本や翻刻がくり返されてきた。
つまり、羲之のオリジナルAは、A'やA''、あるいはA°にと変貌しているのである。だから1点ずつ見ていてはその差異は不明でも、A・A'・A''・A°と並べて比較すれば、相互の異同も、何が真であるかも分かり易い、というわけである。
ことに、手島右卿・上田桑鳩・比田井天来・中林梧竹・貫名菘翁・楊守敬などの、近・現代の書法との比較や、「十七帖」以降の、晩年の王羲之書法を明示したことは、斬新な試みである。

制作/書玄