飯島太千雄 ≪ 著  書 ≫  

4.『王羲之書蹟大系』全14巻・別巻3(共著)



  1982年6月、東京美術刊(B4・2帙・14帖・線装本・198000円)

日・中で初めて成った王羲之の書蹟全集。
飯島の企画と推進による。
宇野雪村氏が編集代表として陣頭に指揮を執り、当時のほとんどの書道史研究者がその下に参集した。
撮影・資料収集・執筆陣、その総てに最大級の力が結集された画期的な大全集である。

主な執筆者――宇野雪村・飯島太千雄・杉村邦彦・伏見冲敬・小松茂美・西林昭一・福本雅一・今井凌雪・北川博邦・足立豊。
第1巻「墨蹟」・第2巻「小楷」・第3巻「蘭亭序」・第4巻「集王諸碑」・第5巻「十七帖」・第6巻「淳化閣帖巻六」・第7巻「淳化閣帖巻七」・第8巻「淳化閣帖巻八」・第9巻「王右軍帖」・第10巻「澄清堂帖」・第11巻「澄清堂帖」・第12巻「大観帖」・第13巻「諸集帖所収尺牘帖」・第14巻「歴代臨書」

飯島は『王羲之大字典』以来の王羲之研究の成果を「王書の実像―その2」と題して、30Pの論文を発表した。
西域出土の同時代の発掘資料や王氏一族の書との比較考証によって、虚像に覆い尽くされている王書から実像をあぶり出している。
「研究篇」巻末の34Pに及ぶ飯島編「尺牘諸帖相関表」は、凡そ760帖にも達する王羲之書蹟の、各集帖間の異同を精査・分類した労作で、王羲之研究の基本資料である。

撮影/飯島太千雄