飯島太千雄 ≪ 著  書 ≫  

1.『弘法大師書蹟大成』1帙・全5巻・別巻3(共著)

  1979年6月。東京美術刊(B4変型・線装本・148000円)

主な執筆者――小松茂美・金岡秀友・鈴木史楼・飯島太千雄・築島裕・駒井定夫・山本智教・木下政雄・大山仁快・古谷稔・松原茂・角井博・真鍋俊照。
空海の遺墨全集は、戦後二回刊行されている。
第一回は1974年の『弘法大師真蹟集成』(法蔵館刊)で、これには19点が収録された。

本書は、その5年後に刊行された。本書では24点収録されているが、その増補分は、飯島の研究に基づいている。クローズアップが多用され、1点1点の視覚性を重視した編集になっている。
写真の過半は、飯島撮影のフィルムによっている。
飯島は「研究篇」で「空海の書―その実像について」を、「資料篇」で5点の解題を執筆している。

撮影――米田太三郎・飯島太千雄
研究編
序説・「三筆」の周辺と空海の位置 小松茂美
空海の書と思想 金岡秀友
空海書蹟考 鈴木史楼
空海の書−その実像について 飯島太千雄

研究編の概要と特色
 古筆学の権威・小松茂美博士と密教哲学の碩学・金岡秀友博士が空海の書と思想の大綱を位置づけ、新進気鋭の鈴木史楼氏と飯島太千雄氏が「空海の書」を縦横に追跡する労作の結集である。
 まず、今日までの先学の研究と見解を細大もらさず明らかにし、その学問成果を一表に展開する。
 その上に立って、鈴木史楼氏は芸術批評の角度から書創造の核心へと迫る書蹟論を展開し、飯島太千雄氏は徹底的な実証主義と比較書像学の方法で新しい発見と問題を提起する。まさに括目の研究編である。